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PR TIMESで配信したのに記事にならない、5つの理由

配信サービスは「届ける」までの仕事です。記者が読んで書くかどうかは別の工程。中小企業のプレスリリースが記事にならない理由を、調査データと記者側の判断基準から整理します。

「プレスリリースは出している。でも、記事になった実感がない」。中小企業の経営者や広報担当の方から、いちばん多く聞く言葉です。

実際、数字もそうなっています。広報担当者100人への調査では、希望する媒体への掲載率が0%の会社が43%、1割以下まで含めると63%でした(メタリアル「広報100人調査」2025年3月)。配信サービスの普及で「出す」ハードルは下がりましたが、「記事になる」までの工程は残ったままです。

この記事では、記事にならない理由を5つに分けて書きます。どれも、配信ボタンを押す前後の「設計」の問題で、文章力の問題ではありません。

1. 「発表」はあるが「ニュース」がない

同じ調査で、載らない理由の1位は「ニュース価値の不足」38%でした。

記者が記事にするのは、読者にとって新しい事実です。「新商品を発売しました」は会社にとっては大きな出来事でも、読者にとっては日常です。記者側の調査(レイクルー「プレスリリース選定基準調査」2025年1月、メディア関係者332人)では、記事化しやすい特徴の1位が「読者の関心を引くテーマ」45.2%、2位が「データの明確性」43.4%でした。

言い換えると、記者が探しているのは「御社の発表」ではなく「読者が知りたい変化」と「その裏付けの数字」です。新商品そのものより、「なぜ今それが必要になったのか」「業界で何が起きているのか」のほうが記事になります。

2. 届け先を選んでいない

中小企業の広報担当者273人の悩みの1位は「どのメディアにプレスリリースを届ければいいか分からない」45.5%でした(レイクルー「中小企業の広報・PR活動」実態調査 2024年11月)。

配信サービスは数百媒体に一斉に届けてくれますが、それは「掲示板に貼る」のに近い行為です。記者は1日に何十通ものリリースを受け取り、開封するかどうかをメール件名で判断しています(共同通信PRワイヤー メディアアンケート2024では、読み進める判断基準の1位が「メール件名」45.8%)。

全国紙の経済部と、業界紙の記者と、地方紙の支局では、欲しい情報が違います。「この媒体のこの記者なら書く理由がある」という1対1の届け方をしない限り、一斉配信は通過されます。

3. 全国紙を最初に狙っている

希望媒体を聞くと、全国紙と業界紙が各44%で並びます(メタリアル調査)。しかし、初めての掲載が全国紙になることはほとんどありません。

記者も、ゼロから会社を信用するわけではありません。業界紙や地方紙に記事が出ていれば、それが「他の記者が取材に値すると判断した証拠」になります。順番としては、業界紙・専門紙・地方紙・専門Webで記事を作り、そこから全国媒体へ、が現実的です。

地方紙は特に見落とされています。工場新設、周年、地域雇用、地元の学校との取り組みは、地方紙の経済面が探しているネタです。地方紙の記事は採用と金融機関への信用に直接効きます。

4. 配信のあとに、何もしていない

「配信して終わり」になっている会社が大半です。

配信のあとに本来やるべきことは、狙った媒体の記者に個別に連絡し、リリースでは書き切れなかった背景、数字、現場の写真、取材できる日程を伝えることです。記者は忙しいので、「取材しやすい状態」を用意した会社から順に記事になります。

ここは、社内で兼務している担当者にはいちばん負担の大きい工程です。中小企業の広報担当の88.6%は他の業務と兼務で、2名以下の体制が4割を超えています(レイクルー調査)。配信までで手一杯になるのは、能力の問題ではなく体制の問題です。

5. 「掲載」をゴールにしている

最後は少し逆説的ですが、掲載件数を目標にすると、記事は増えません。

PR TIMESで月1回以上配信している経営者101人への調査では、実感している成果は「既存顧客との関係強化」57.3%、「新規問い合わせの増加」52.8%、「採用面」78.1%で、「メディア掲載の増加」42.7%より上でした(IDEATECH 2025年8月)。

掲載は手段で、目的は信用です。「この記事が出たら、採用ページに載せる」「営業資料に使う」「取引先に送る」という使い道から逆算してネタを選ぶと、記事になりやすいネタと、会社にとって価値のあるネタが一致します。

配信のあとを、どう直すか

まとめると、記事にならない理由は次の5つです。

  1. 発表はあるがニュースがない
  2. 届け先を選んでいない
  3. 全国紙を最初に狙っている
  4. 配信のあとに何もしていない
  5. 掲載をゴールにしている

直す順番は逆です。まず「記事を何に使うか」を決め、そこから狙う媒体を選び、その媒体の記者が書きたくなる角度にネタを組み直し、配信のあとに個別に持ち込む。この順番にすると、同じ会社の同じ事実でも、記事になる確率は変わります。

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出典

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